内科は「今日の体調が悪い」という緊急度の高い検索と、「そろそろ健診を受けたい」という予防目的の検索が同時に存在する業種です。この2種類の検索者に向けて、必要な情報がそれぞれ違います。この記事では、内科クリニックのマップ対策・AI検索対策・受診導線を、この2軸で整理します。
この業種特有の3つの前提
1. 検索が「今すぐ」と「そのうち」の二極
「◯◯市 内科 発熱 今すぐ」のような即時性の高い検索と、「◯◯市 内科 健康診断」「◯◯市 内科 予防接種」のような計画的な検索が混在します。症状名・受診目的ごとに情報を分けて用意することが必要です。
2. 表現に法的な制約がある
医療機関の広告は医療広告ガイドラインの対象です。体験談の掲載、「必ず良くなる」「絶対安全」といった誇大表現、他院との優劣を示す比較表現は認められません(2026年8月時点)。書けるのは「事実」です。 対応している診療内容、検査体制、診療時間、対応可能な年齢層、実施している予防接種の種類。効果の断定は避け、内容の具体性で勝負するのが正しい方向です。
3. 決め手は「今日診てもらえるか」の確証
発熱や体調不良で検索する人にとって、**「今日、今の時間に診てもらえるか」**が最大の関心事です。ここが曖昧だと、電話をかけずに次の候補へ移動されます。
ステップ1:Googleビジネスプロフィールを整える
- メインカテゴリを具体的に——「診療所」ではなく「内科」。糖尿病内科・呼吸器内科等の専門があればサブカテゴリで補う
- 診療時間を正確に——曜日別、昼休み、受付終了時刻(診療終了時刻とは別に書く)、休診日、祝日診療の有無
- 発熱外来・オンライン診療の有無を明記——実施している場合は受付方法(電話予約制か等)も具体的に
- サービス欄に対応内容を全部登録——一般内科診療、健康診断、予防接種(種類)、生活習慣病管理、各種検査(血液・レントゲン・エコー等)
- 属性を埋める——駐車場、バリアフリー、キッズスペース、オンライン診療対応、クレジットカード可
- 写真——外観(建物のどこか分かる角度)、入口、受付、待合室、診察室、検査機器、駐車場。「待合室の写真」は混雑具合を想像させ、来院判断の助けになります
- 説明文には、エリア名・対応内容・院の方針を事実ベースで
ステップ2:受診目的の言葉を棚卸しする
「症状」と「予防・健診」の両方の言葉で書き出します。
| 目的 | 患者さんが使う言葉 |
|---|---|
| 急な体調不良 | 発熱 今すぐ、風邪 病院、腹痛 内科、日曜 やってる病院 |
| 生活習慣病の管理 | 血圧 高い 病院、健康診断 再検査、コレステロール 相談 |
| 予防・健診 | インフルエンザ 予防接種、健康診断 予約、人間ドック |
| かかりつけ探し | かかりつけ医、紹介状 なしで診てもらえる |
書き出したら、目的ごとに1ページでウェブサイトに解説を作ります。「発熱外来のご案内」「予防接種のご案内(種類・時期・料金)」「健康診断のご案内(項目・所要時間・結果日数)」の3ページ構成が扱いやすい形です。効果の断定はせず、対応内容の説明にとどめるのがポイントです。
ステップ3:AI想定問答を作る
ChatGPTやPerplexityで「◯◯市 今日診てもらえる内科は?」と聞く人が増えています。AIは条件に合う施設を数件挙げて説明するため、条件を満たす記述がウェブ上にあるかどうかで候補入りが決まります。
内科クリニックなら、この10問から始めてください。
- 「◯◯(地名)で今日診てもらえる内科は?」
- 「◯◯で日曜日もやっている内科は?」
- 「◯◯で発熱外来をやっている病院は?」
- 「◯◯で予約なしで行ける内科は?」
- 「◯◯でインフルエンザの予防接種ができる病院は?」
- 「◯◯で健康診断を受けられる内科は?」
- 「◯◯で駐車場のある内科は?」
- 「◯◯で夜19時以降も受け付けている内科は?」
- 「◯◯でオンライン診療に対応している内科は?」
- 「◯◯で紹介状なしで診てもらえる内科は?」
答えは事実と数字で。「日曜も診療」ではなく「日曜は9時〜12時のみ、発熱外来は要電話予約」。この粒度が引用されます。
ステップ4:受診までの導線を短くする
見つけてもらった後の設計です。ここが弱いと、対策の効果が出ません。
- プロフィールの電話番号をタップで発信できる形に——体調が悪い人はスマホで検索して、そのまま電話をかけます
- 発熱外来は受付方法を明示——「事前に電話でご連絡ください(一般の患者様と動線を分けています)」
- 初診の流れを明示——「受付→問診票→診察→(必要に応じて検査)→会計。初診の所要時間は目安30〜60分」
- 持ち物——「保険証、お薬手帳、母子手帳(予防接種の場合)」
- 予防接種・健診は予約方法を明確に——電話予約、Web予約フォーム等
- 混雑状況を発信できるなら、投稿機能で「本日は混み合っております」等を更新する
ステップ5:口コミ運用(この業種の注意点)
医療機関のウェブサイトに患者の体験談を掲載することは医療広告ガイドラインで認められていません。 一方、患者さんが自発的にGoogleへ投稿する口コミは、事業者の広告表示とは別のものとして扱われます。ここを混同しないでください。
- 口コミの投稿を案内すること自体は問題ありません(「Googleに感想をいただけると励みになります」)
- 対価と引き換えの依頼はGoogleのポリシー違反。割引と交換にしない
- 評価を指定しない(「星5で」は絶対NG)
- 返信では症状や治療内容に触れない——患者情報の守秘義務があります。「ご来院ありがとうございました」までにとどめ、詳細は院内で
- 全件に返信し、返信率を保つ
返信の例(低評価への対応)
このたびはご不便をおかけし、申し訳ございませんでした。いただいたご指摘は院内で共有し、受付の混雑時のご案内方法を見直しております。個別の状況につきましては、この場では詳細を控えさせていただきます。お手数ですが、下記までご連絡いただけますと幸いです。(電話番号)
公開の場で診療内容に言及しないこと。 これは守るべき一線です。
ステップ6:月次で見る数字
| 指標 | 見方 |
|---|---|
| 表示回数 | 見つけてもらえているか |
| 電話タップ数 | 受診意欲まで進んだ数 |
| 経路検索数 | 来院意欲まで進んだ数 |
| AI検索での言及 | 想定問答10問を実際に聞いて確認 |
表示回数は多いのに電話が少ないなら、原因は**情報の不足(受付終了時刻・発熱外来の受付方法)**です。表示回数自体が少ないなら、カテゴリと症状・目的の言葉を見直します。
運用をまとめるなら
受診目的ページの整備、想定問答の作成、AI検索での言及確認、プロフィール更新、口コミの獲得と返信——診療の合間に全部やるのは現実的ではありません。
サーチたすは、店舗・施設情報の構造化、AI想定問答の作成、AI引用モニタリング、Googleビジネスプロフィール運用、口コミ獲得、クチコミAI自動返信をまとめて扱えるツールです。月額5,500円(税込)〜、初期費用0円、14日間無料でお試しいただけます。発熱外来の対応可否など、季節や状況で変わる情報の更新漏れを減らして運用できる形になっています。
まとめ
- 検索は「今すぐ」(発熱等)と「そのうち」(健診・予防接種)の2軸で来る
- 医療広告ガイドラインの範囲内で、事実と数字を具体的に書く
- 想定問答10問を用意し、月1回AIに実際に聞いて確認する
- 受診導線は「受付終了時刻・発熱外来の受付方法・初診の流れ」を明示する
- 口コミ返信では診療内容に触れない。対価との交換もしない
まずは「受付終了時刻」と「発熱外来の受付方法」を、プロフィールとサイトの両方に書くこと。ここだけで電話率が動きます。